15th Annual Honolulu Festival (2009)

第15回ホノルル・フェスティバル (2009年)

ホノルル・フェスティバルは今年で15周年という1つの節目の年を迎えました。日本からの参加グループが増え、更には環太平洋の国々からの参加も増えています。今年はオーストラリア、フィリピン、韓国、アラスカ、ハワイなど様々な国のグループが参加。それぞれの伝統文化のパフォーマンスを披露してくれました。

pan_01今回初めてアラスカ州から、伝統文化を継承するアラスカネイティブヘリテージセンターの皆さんが参加。
アラスカは49番目の州としてアメリカ合衆国に加入し、同じ年にハワイも50番目の州になったという似たような歴史があります。
彼らは、アラスカの伝統の唄と踊りをオリジナル言語で受け継いでいます。あまり知られていませんが、アラスカ州内では20種類もの言語が話されているそうです。
頭にクズリ(イタチ科の動物)の毛皮で作った飾りを装い、アラスカの人々の伝統的ライフスタイルや動物達の様子をドラムのビートに合わせながら羽飾りを使って地元の言語とダンスで表現します。手の動きはハワイのフラ同様に意味があるとのこと。今回、ハワイの人たちにとっても、アラスカという遠い国の伝統文化に触れるとてもいい機会となりました。

pan_02そして、今年もマノアDNAがハワイから参加。マノアDNAはロイド・カワカミ氏とその2人の息子、ニックとアレックスで構成されるファミリーバンドです。ステージでは彼らの親友のマークも参加、また親族のパット・カワカミさんがフラを踊り、会場を大いに沸かせました。
マノアDNAは2005年に結成され、2年前からはハワイ州観光局とも活動を開始。アレックス作曲の「オンリーインハワイ」が今年2009年のキャンペーンソングとして起用され、日本でもお馴染みのグループとなっています。彼らのスタンダードナンバーの1つ、ニックが歌うハワイ風にアレンジした「涙そうそう」は、世代、国境を越えて聞く人の心にしみ入ります。

ダンス・ジャンクション・ハワイ

ダンス・ジャンクション・ハワイ


チュムサラン

チュムサラン


タヒチ・ヌイ・インターナショナル

タヒチ・ヌイ・インターナショナル

ハワイからの参加と言えば、小学生から高校生までの女子で構成されるダンスグループ「ダンス・ジャンクション・ハワイ」。伝統的なフラと異なる美しい振り付けのモダンダンスで観客を魅了。パフォーマンス中は、大阪から参加のIBARAKI CITY バトンダンスドリルチーム・ワールドウィングが観客席で応援し、ステージ終了後はメンバー同士の交流を深めていました。

その他にも、カワナナコア中学校生徒たちのバンド、カワナナコアチャンバーオーケストラもハワイからの参加。巧みで落ち着いたストリングスの演奏は「素晴らしい」の一言に尽きました。

また、ホノルルに拠点を置き、韓国伝統の踊りを守り伝えている団体「チュムサラン」の皆さんは美しく優美な踊りを披露してくれました。
ハンボックと呼ばれる清楚で可憐な韓国の民族衣装をまとい、笑顔で太鼓の音と共に流れるように舞う姿にステージがパッと明るくなりました。

そして、同じくハワイに拠点を持つタヒチ・ヌイ・インターナショナルは、エネルギッシュでダイナミックなタヒチの音楽とダンスを披露してくれました。
タヒチ・ヌイ・インターナショナルは、毎年3月に「ヘイヴァ・イ ・ホノルル」というダンス大会を主催し、タヒチの文化を保存、後世に伝える活動を行っています。 7年目を迎える今年は、3月12日~14日の3日間、カピオラニ公園にあるワイキキシェルで大会を開催しました。会場ではワークショップやクラフトフェアのイベントも行い、数々の手作りの工芸品やアートワークの店先が並びました。「ヘイヴァ」はタヒチ以外で行われるダンス大会としては最も大きなイベントで、ハワイの他、アメリカ本土、日本やカナダからもダンサー達が参加します。
このイベントとホノルル・フェスティバルはちょうど同じ時期の開催となっていて、石川県から参加のサバルサ・ヘイプ・美奈子さん率いるタヒチアンダンスチーム、ティアレ・ヘイプアのメンバーがホノルル・フェスティバルでパフォーマンスを披露してくれました。このチームはこれまで数々の賞を受賞した経験をもち、彼女たちが披露した「オテア」と呼ばれるドラムダンスは素晴らしいの一言。会場を大いに盛り上げてくれました。

pan_06環太平洋の国、アジアからはフィリピンの皆さんが大活躍でした。今回はモンテソーリ・デ・カガヤンとカラヤン・フィリピン・ダンスシアターの2つのグループが参加。
モンテソーリ・デ・カガヤンは9歳から11歳の子供達で構成され、フォークダンス、及びヒップホップダンスを披露。彼らのダンスと表現力は大変素晴らしく、大人に全くひけを取らないレベルの高いものでした。
カラヤン・フィリピン・ダンスシアターは美しい衣装を纏い、フィリピンがスペインに統治されていた時代の様子や、漁を営み、ココナッツの殻を使用していた頃の生活様式を表現する様々なダンスで、中には大変愉快な物もありました。
また、ハワイのフィリピンコミュニティーからもBIBAKハワイ、UHMカティプナン・テクニクリングズ・ダンスクルーが参加。本国とハワイのローカルコミュニティーが一緒にフィリピン文化遺産の存続に取り組む素晴らしい交流が行われました。

アリエル・アバディリャ フィリピン総領事と共にハワイの ローカルテレビ局KHON2の金曜朝の番組に出演。

アリエル・アバディリャ フィリピン総領事と共にハワイのローカルテレビ局KHON2の金曜朝の番組に出演。

ハワイのフィリピンコミュニティーBIBAKハワイ

ハワイのフィリピンコミュニティーBIBAKハワイ

第15回ホノルル・フェスティバルでは、環太平洋の国々より多くの方にご参加いただき、多種多様な伝統文化の紹介とそれぞれの文化交流が実現しました。第16回ホノルル・フェスティバルもご期待下さい。