第24回ホノルル フェスティバル初日の2018年3月9日(金)、オアフ島内の小中高校を対象にした「エデュケーショナル・スクール・ツアー」が行われました。

この教育プログラムは子供達の教育を目的として行われ、ハワイのコミュニティーと子供達に異文化とふれあえる場を提供しています。フェスティバルに出演するアーティストやパフォーマー達は、この日のために特別プログラムを用意して子供たちとの交流をはかります。 普段なかなか接することのできない異文化体験は、子供たちにとって貴重な経験となっています。

今年のエデュケーショナル・スクール・ツアーには、ハワイ州各地の17の学校から併せて1,100名以上の生徒が訪れました。
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ツアーは20名前後のグループに分かれて、エスコートの案内で6つのブースを順番に回ります。今年は、日本、台湾、韓国、オーストラリア、マーシャル諸島、そして、地元ハワイから15のグループが参加し、様々な展示や楽器演奏、パフォーマンスを披露してくれました。また、ハワイ日系移民150周年を記念して、中学生以上を対象に「ハワイ日系人の歩み」のパネル展示と特別講演も開催され、より充実した内容となりました。


-いよいよ待ちに待った当日!-


朝の9時、スクールバスで参加者が続々登場です。期待に胸が膨らみます。
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会場の外のホールでは、これまでのホノルルフェスティバルの歴史をつづった年度ごとのヒストリーボードが展示されています。
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こちらは盆踊りのやぐら。プログラムでは、このやぐらの周りで、皆で楽しく盆ダンスを踊ります。
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-現地のひとが伝えるいろいろな事-


ホノルル大蛇山

会場に入って、まず最初に目に入ってくるのは大きな蛇の頭。こちらはハワイ州と姉妹関係をもつ福岡県大牟田市の「大牟田大蛇山」という夏のお祭りが、2008年より「ホノルル大蛇山」と名前を変え、山車を譲り受けた地元ホノルルのボランティアの人達が引き継ぎ運営しています。

日本の民話によると大蛇は農地を潤し、子供の健康を守る水の神と言われているそうです。悪者ではなかったようですね。山車の長さは頭、胴体、尻尾を合わせると約13メートル。高さ5メートルにもなる山車には人が乗り、花火を噴きながら太鼓や鐘を打ち鳴らします。この大きな頭の大蛇の山車は今年ももちろん、グランドパレードの大トリとして迫力あるパフォーマンスを披露しています。火を吹く大蛇は一見の価値あり!
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ハワイ日系人の歩み

続いては「ハワイ日系人の歩み」をつづったパネル展です。今年は日本人がハワイに移民として渡ってからちょうど150年目になります。日系移民がどのようにハワイに溶け込んでいったのか、戦争の始まりでどのような辛い日々を送ることになったのか、どのように日本の文化がハワイに根付いていったのか。これらの事実を理解することで、よりいっそう日本と米国との強いつながりを理解できるようになるのではないでしょうか。
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太平洋航空博物館パールハーバー

そして、子どもたちからとびきりの注目を集めていたのが太平洋航空博物館パールハーバーのブースです。憧れのパイロットが実際に着用する装備を装着できたり、さらに飛行機の操縦の疑似体験もでき、これにはみんな興味深々でした。
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-世界の国々との交流-


今回の出展には世界各国の人達の参加も多くありました。

ハワイ台湾センター

こちらでは、台湾・高雄からホノルル市へ送られた台湾人形や手作りの工芸品、人形劇の衣装の展示やマンダリン・アカデミーのナルワ・ダンス・グループによるパフォーマンスが披露されました。
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台湾アソシエーションオブアメリカ

見ていて思わず仲間に入りたくなる「ドラゴンダンス」で台湾の伝統文化を披露しました。
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ハンウル・インハ大学

サムルノリと言われる、韓国の伝統楽器を用いた演奏を披露しました。チャング、プク、チン、ケンガリの四つの楽器を使って美しいパーカッション・アンサンブルを奏でていました。
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マーシャル諸島

こちらでは、マーシャル諸島の工芸品であるヤシの葉を使って作る「アミモノ」を披露しました。第二次世界大戦中まで、日本の委任統治領だったマーシャル諸島には、今も日本語由来の言葉が残っています。
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ワガナ・アボリジニ・ダンサーズ

オーストラリアの先住民であるアボリジニの原住民ダンスを披露しました。ボディーペイントは子供たちに大人気でした。天然の粘土で出来ているそうです。
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-日本との交流-


日本から参加のブースも大変盛り上がっていました。

さくらこまち和楽団

日本の伝統的な楽器である琴、津軽三味線、篠笛、和太鼓などを披露しました。美しい音色に多くの生徒が聞き惚れていました。
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茅ヶ崎市

ホノルルと友好都市である茅ヶ崎のブースでは、ゆるキャラ「えぼし麻呂」の登場に大興奮の子供たち。ハワイらしいアロハシャツにショーツのいで立ちで可愛さが増していました。茅ヶ崎という場所を覚えてもらえたかな?
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ナニポーマイカイ リボンレイ

こちらのブースでは、ハワイの伝統工芸である「リボンレイ」と日本の「つまみ細工、つるし飾り」の違いを実演を交えてレクチャー。子供たちは熱心に聞き入っていました。
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ロハスフェスタ

「小さなエコを大きなコエに」をテーマにしたロハスフェスタ・ブースでは、「健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイル」を子供たちにもわかりやすく伝えていました。
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青山学院大学 Chatters

青山学院大学チアダンスサークルChattersのチアのレクチャー。「ダンスで皆さんを笑顔にできたら嬉しいです!」と、笑顔で大いに盛り上がっていました。
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童謡コーラス歌仲間

こちらのブースでは、日本に古くからある童謡を一緒に元気に歌いました。大きな声で歌うことが、長寿の秘訣なのかもしれません。
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桜丘中学・高等学校

今年で参加が3回目となる、桜丘高校の1年生およそ300名が日本の文化をハワイの子供たちに紹介しました。書道・折り紙・福笑いなど、一緒になって大盛りあがり!遊びに言葉は必要ありません!でも英語でのコミュニケーションもなかなかのものでしたよ。
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-盆ダンスでフィニッシュ!-


ひと通り会場を回って、ホールの外に出た生徒は、最後に「盆ダンス」を踊ってフィニッシュです。日本文化の根付いているハワイなので、上手に踊っている子供たちがいっぱいいました。夏の時期になると、ハワイでは至る所で「盆ダンス」が開催されます。
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最後に、熱心に取り組む子供たちと参加団体の方とのふれあいのシーンを一挙にご紹介します。子供たちの目の輝きが参加できた喜びを物語っていますね。
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この貴重な異文化との交流体験は、地元の子供たちの心に残る出来事になった事と思います。ハワイという狭い社会の外にはとても広い世界があり、そこには様々な人がいろいろな風習とともに生活しているということに気付く、よい機会になったのではないでしょうか。

今後もホノルル フェスティバルは、エデュケーショナル・スクール・ツアーを現地の子供たちのために提供したいと願っています。

フェスティバルの主テーマである「パシフィック・ハーモニー」“愛と信頼”。その目的は「異民族の文化交流によって平和的な生き方を模索する」ことです。これからも引き続き、民族や世代をこえた交流の輪を広げ、日本とハワイ、ひいては環太平洋諸国との親善の輪をより大きく幾重にも作り、世界平和に少しでも貢献したいと思っています。