ホノルルフェスティバルの最後を飾るのは、皆さんお待ちかねの「長岡花火」です。現地の人の中では、「ハワイの花火の中では、ダントツでやっぱり長岡花火が一番だ。」という声を数多く聞きます。

「長岡花火」は日本で開催される数ある花火大会のベスト3に数えられる「日本三大花火」の一つ。その日本の花火が、ワイキキビーチの沖から打ち上げられるのです。


-イベントの最後を飾る長岡花火-


グランドパレードの終了とともに、たくさんの観衆がワイキキビーチへと流れていきます。みなさん少しでもいい場所を確保しようと少し足早です。
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でもご安心ください。ワイキキビーチ沖の中心で打ち上げられるので、どのビーチで見ても、それはもう素晴らしい眺めなのです。日本の花火大会のように、混み合いません。ゆったりと鑑賞できるのもこの長岡花火の特徴です。

パレードが終了してから、花火のスタートまでは1時間程時間がありますが、皆さん早々にビーチに陣取り、打上るのを今か今かと待ちわびています。
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-長岡花火がハワイで打ち上げられるようになった理由は?-


今年で7回目となる長岡花火ですが、なぜワイキキで打ち上げられるようになったのか?実はその背景にはハワイと長岡の興味深い歴史があったのです。

長岡花火は明治時代から人々に親しまれていた花火大会でしたが、戦争の影響で1938年より数年間中止となり、さらに終戦間際の1945年8月1日に突然の空襲を受けて長岡の街は一面焼け野原となり、多くの尊い命が失われました。

そして終戦から数年かけて、地元を勇気付けるため、戦災復興祭を開催し、その中で長岡花火を復活させました。以降長岡花火は、慰霊と復興と平和を願う恒例行事となっていきました。

そして、2007年ホノルルで開催された市長交流会議がきっかけとなり、当時の長岡市長は太平洋戦争におけるホノルルと長岡の関係性を説明しました。

太平洋戦争の開戦のきっかけとなった真珠湾攻撃では、ハワイにおいて多くの尊い命が失われました。その際にこの攻撃を指揮したのが長岡出身の山本五十六でした。長期化し総力戦となった日本軍。そして終戦直前に長岡市は空襲を受けます。

日本海軍による突然の攻撃を受けた真珠湾のあるホノルル市、真珠湾攻撃を指揮した山本五十六の故郷で戦火に巻き込まれた長岡市。かつては敵同士であったこの両市が結びつき、交流していくことで、日米の友好関係と平和への貢献をめざし、2012年ついに両市は、姉妹都市として締結しました。そして、その年からホノルルフェスティバルの最終日に長岡花火が打ち上げられることになるのです。

アメリカではお祝いの意味合いが強い花火ですが、ホノルルフェスティバルで打ち上げられる長岡花火には、長岡市とホノルル市の平和に向けた強い意志が込められています。


-平和の願いを込めた7回目の長岡花火-


20時30分、大きな打ち上げ音と一筋の光と共に、“平和への祈り”を込めた白一色の花火でいよいよ長岡花火のスタート!

慰霊と平和の祈り

まずは、日米の戦没者への慰霊、日米友好と世界恒久平和への祈りを込めた3発の白一色の花火が夜空に献花されました。
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ハワイ アロハ

花火でハワイのヤシや海、太陽を表現した、南国気分溢れる花火です。
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フェニックス

長岡復興のシンボル「フェニックス」。日本で起こった震災の復興に願いを込めて打ち上げられました。荘厳で神秘的、天高くというより、横に幅広く上がる独特の花火です。花火の中にフェニックス(不死鳥)に見立てた光跡が現れます。
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友好の絆 オハナ

姉妹都市である両市の発展と願いを込めて打ち上げられた花火。終わりにはカメハメハ大王像をイメージした黄金の花火が夜空一杯に広がりました。
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天地人

フィナーレを飾るのは「天地人」。未来を担う青少年の健やかな成長を願った花火は豪華絢爛。会場からは、たくさんの歓声が聞こえてきました。
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およそ13分間、2200発の長岡花火がワイキキの夜空に打ち上りました。ワイキキの夜空は満開の華々で彩られ、今年も多くの人々に笑顔と感動を与えてくれました。

それぞれに深い意味が込められて打ち上げられた花火。その意味を知った上で眺める花火は、平和への願いというメッセージを私達の心に植え付けてくれました。

これからも引き続き、民族や世代をこえた交流の輪を広げ、日本とハワイ、ひいては環太平洋諸国との親善の輪をより強固なものとし、世界平和に少しでも貢献できたらと思っています。

長岡市とホノルル市をはじめ、花火を打ち上げるために惜しみないご支援とご協力を賜りましたスポンサーの皆様、そして長期間に渡りご尽力くださいました関係者全ての皆様へ感謝を申し上げます。