スペシャルミュージカルイベント”Peace On Your Wings” -ピース・オン・ユア・ウィングス-が、
・3月12日(土)11:00-12:00、16:00-17:00
・3月13日(日)11:00-12:00
計3回、ハワイコンベンションセンター3F #311で公演されました。

22回の「ホノルルフェスティバル」サブテーマとなる”文化交流、平和への道”で提唱される
『Peace-平和-』
、そして“生きることの大切さ”を最も象徴的に表した22回の目玉となるイベントでした。

広島の平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子(ささき さだこ)。
被爆し白血病を発症、折り鶴に生きる希望を託しながら12才でこの世を去りました。
ピース・オン・ユア・ウィングス(直訳:平和はあなたの翼の上に)は、この禎子(さだこ)の人生を題材にしています。

原爆の悲惨さ、平和の尊さを叫びつづけた禎子(さだこ)の思いを引き継ぎ、
ハワイの子どもたちが演じる話題のミュージカルです。

第22回「ホノルルフェスティバル」でのスペシャル公演が実現し、本来のミュージカル各シーンよりセレクトした特別内容となりました。

-開演-

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禎子(さだこ)の美しく元気な歌声でステージの幕は上がりました。

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広島への原爆投下から9年後の1954年、当時12歳の禎子(さだこ)は、
友達と共に参加する平和記念式典や夜の灯籠流しに心躍らせる気持ちの優しい元気な女の子でした。

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-駅伝-

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禎子(さだこ)のクラスは駅伝大会に参加することになりました。

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運動が大好きで活発な禎子(さだこ)は、一生懸命練習に取り組み、出場メンバーに選ばれました。

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そして、クラスの中心的存在でもあった禎子(さだこ)は、駅伝メンバーに選ばれず落ち込んでいたクラスメイトを慰めたり、また皆の気持ちを一つに士気を高めます。

相手を思いやりリーダーシップもある禎子(さだこ)は、皆の人気者でもありました。

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駅伝に見事勝利した禎子(さだこ)のクラスは、喜びを分かち合います。

しかし駅伝後、何故か身体の調子が著しく悪くなった禎子(さだこ)は、病院へ。

-病院-

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白血病を発症した禎子(さだこ)は、そのまま入院。
それを知った兄の雅弘と共に、一時悲しみにくれます。

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しかし、先に入院していた他の子供達は、病気にもめげず元気いっぱい。
楽しく自己紹介を繰り広げます。

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彼らの影響で禎子(さだこ)もすぐ元気な気持ちを取り戻します。
早く治して、学校の皆と楽しい生活をおくりたい!

しかし入院生活は続くのでした。

-お祭り-

少し体調が良くなった夏の夜。
禎子(さだこ)は浴衣に着替え、大好きな夏祭りに出掛けます。

「久しぶりにみんなに会える!」

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兄の雅弘は心配です。決して無理はしないようにと禎子(さだこ)に忠告します。

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理由もわからず、急に学校に来なくなってしまった禎子(さだこ)との久しぶりの再会を喜ぶ学校の仲間たちと、禎子は楽しい踊りの時間を過ごしたのでした。

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しかし、お祭りの最中、禎子(さだこ)は倒れてしまいます。

-折り鶴-

この時、クラスメートは、禎子(さだこ)が白血病に侵されていることを初めて知りショックを受けたのでした。
そして、交代で病院にお見舞いに通いました。

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ある日、名古屋から色鮮やかな折り鶴がお見舞みまいとして病院に送られてきました。
その美しさに魅せられた禎子(さだこ)は、病気を治したいという想いと平和への願いを込めて自らも鶴を折るようになりました。

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辛い闘病生活の中、12歳の少女はほとんど泣き言を言わなかったそうです。
生きる希望を胸に、強い気持ちを持っていたのでした。

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禎子(さだこ)は、自分が折った鶴に糸を通し、病室の天井から吊るしました。
折り始めてわずか1ヶ月ほどで禎子(さだこ)の折り鶴は千羽に達したのでした。それ以降も禎子(さだこ)は鶴を折り続けます。

しかし、その後病状が回復することはなく、10月25日の朝、家族が見守る中、禎子(さだこ)は亡なくなりました。

そして、生きる希望と、平和の尊さを叫びつづけた禎子(さだこ)は、
広島の平和記念公園にある「原爆の子の像」となり、今も世界の平和を祈り続けているのです。

閉演

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12歳という佐々木 禎子(ささき さだこ)の短い生涯を描いたPeace On Your Wings-ピース・オン・ユア・ウィングス-を一生懸命演じたハワイのアカデミー”オハナ・アーツ”のメンバーに、温かい拍手が贈られました。

彼らも7歳~16歳という禎子(さだこ)とさほど変わらない年頃です。

想いがシンクロする部分がきっとあるのでしょう。その気持ちが表現となって観る者にも伝わってきました。

ミュージカル観覧を終えたお客さんの顔には、皆一様に、柔らかく穏やかな笑顔と秘めた力強い眼差しが見て取れました。
それは、「平和の心」が宿ったかの様に見えます。

「小さな少女、禎子(さだこ)の前向きな姿に、改めて生きることの素晴らしさを考えさせられ、そして生きていくための勇気をもらったよ。」

と感想を述べていました。

事前取材で伺った”平和のメッセージ、人生は一期一会であること”というオハナ・アーツが届けたかった想いが、しっかりと伝わっているようでした。

2013年、禎子(さだこ)の折り鶴は、なんとパルハーバーのアリゾナ記念館に飾られるまでになりました。

そして現在、世界中の人たちは、佐々木禎子(ささき さだこ)の生涯、「原爆の子の像」を通して、
戦争が子供達をどんなに苦しめ、原爆が子供達にどんなに不幸をもたらすかも知るようになりました。

禎子(さだこ)の想いと共に、今生きている人々が喜び・希望を持ち続ければ、きっと平和な世の中が訪れるでしょう。

ホノルル フェスティバルの活動を通じて、少しでもその手助けとなることを祈りたいと思います。

PEACE ON YOUR WINGS 公演の情報

引き続きホノルルやLAでの公演が予定されています。
今回ご覧になれなかった方もミュージカル鑑賞を通じて
平和の尊さについて一緒に考えてみませんか?

http://www.peaceonyourwings.com/tour/